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えっと、前に書いたノアレンのバックグラウンド的な話です。うん、続きもののような、全く関係がないような。そのあたりは自由な発想でお願いしたいと思います。(捏造というより、すでにオリジ設定。開き直りました)
ハッキリ言って今回の主人公、アレンじゃありません。(いや、アレンが語ってますが)ここに書くと一発でばれるので、ちょっとやめとこうと思います。14巻を読んでれば、たぶん大丈夫。
その1なのは、一話で纏まらなかったから…ですよ。
「親に疎まれて捨てられたとしても、両親が何処かで生きているって信じてる子供と、愛された為に両親を失ってしまった子供。どちらが幸せなんでしょうか?」
唐突に、優雅に紅茶を口に運びながらアレンがそんなことを言い出すものだから、そばにいた神田とラビは二人顔を見合せて肩を竦めた。
『とある誰かの昔の話』
「コムイー、マリアの情報ってあるさ?」
「マリア?クロス元帥の?」
自室で書類に埋まっていたコムイが、突然訪問してきたラビに驚いて顔を上げた。よく見ればその後ろに神田とアレンの姿もある。
「そうさー、元エクソシストだったんだろ?名簿とかに写真が無いかなーって」
「写真?ああ、顔が知りたいの」
そこでラビが意味ありげにアレンへと視線を流して、またコムイへと向きなおった。
「そうさー。目の色とか髪の色とか。口元だけでもかなりの美人だったさ?」
方舟の一件で見たマリアの容姿を思い出して、ラビが上機嫌で尋ねた。それに比例してコムイの表情は曇っていく。
いつもの覇気が薄れて、伝え方を悩んでいるようにも見えた。
「その事だけどね、マリアの資料は無いんだよ」
「どうしてだ?歴代のエクソシストは纏めてるのではなかったか?」
アレンの肩を抱いて、割り込んだのはラビではなく神田だった。
亡骸すら残せないエクソシストに代わって、教団が出身から誕生日まで、発足された日から綴っている図鑑があることを、教団歴の長い神田は知っていた。それこそ、身体的特徴も載っていたはずだ。
「コムイのけちー。いいさ、自分で探るから」
難色を示すコムイにラビが、にこやかに、けれどしっかりと脅しをかけた。ブックマンが記録することを拒んではならないという契約を、最大限有効活用したセリフだった。
それに溜息をついて折れたのは、コムイだ。
君達にも、面白くない話だと思うけど。人づてに聞くよりは僕から話した方がいいと思うから。
そう前置いてコムイは重い口を開いた。
「マリアはね、とあることをして教団史から抹消されたエクソシストなんだ。もう彼女の容姿を覚えているものも少ないだろうね…」
だから写真もない。それに加えてクロスの『聖母の柩』のイメージが強くて生前の姿を思い出す方が難しくなってる。
ラビの言う通り、美人だったよ。見た目だけじゃなく、そのいっそ潔いと言い切れる性格までもが。
「髪は綺麗なプラチナブロンドでね、瞳は…そう……」
そこで後ろに控えているアレンを見つめて、コムイは懐かしむように目を細めた。
「アレン君みたいな銀灰の目をしていた」
やっぱり、真っ白なって形容するのが何よりも似合っていた彼女だった。
「写真、一枚ぐらいどっかに残してないんさ?本当に」
なあなあ、と机に詰め寄るラビのしつこさに呆れながら、コムイが心底弱ったように、無いんだよごめんねと言った。
「彼女は禁忌を犯して、異端審問にかけられたんだ…」
三人が、大きく息をのんだ。
「だから、マリアの情報はすべてその時に処分されてしまったんだよ」
もう一度だけコムイはごめんねと繰り返した。
しかし、自分に集中して写真を強請ったには、何か訳があるのかと思いいたったコムイは、はっと顔をあげてアレンを見つめ直した。
「アレン君、マリアのことクロスから何か聞いたの?」
それならば納得する。ラビが今更マリアのことを聞きに来たのも。
「いえ、師匠からではないのですが。コムイさんはマリアに憧れてたって」
恋ってほどじゃなくて…だから憧れ?でよかったのですか。アレンはさらりと爆弾をコムイに投下した。
「それで、師匠がマリアを所持する時に揉めたって聞きましたけど?」
そしてその言葉にコムイは飲もうとしていたコーヒーを盛大に噴き出した。
「ア、アッ、アレン君!!」
どもるコムイにラビがとどめを刺す。
「だから、写真の一枚ぐらいは隠し持ってるんじゃないかってさ」
「ラビっ!!」
「ここ、まで来たら見てーだろ。ついでに禁忌って何やらかしたんだ、教えろよ」
「神田君っ!!」
神田とラビの二人に迫られて、コムイはたじたじだった。
そして諦めたように奥から一枚の写真を取り出して、ラビへと渡した。
「このことはくれぐれも秘密に」
「やっぱり持ってたんさー。もちろんオレ等とコムイだけの秘密さ」
その写真には、マリアを中心に左側にクロス、右側にコムイがいて、三人とも穏やかに笑っていた。
そう、これが一番穏やかな季節を過ごした最後の記念。
あーだ、こーだとラビと神田は仲良くマリアを見て議論を繰り返している。
そこから一歩下がったスタンスでアレンが、写真を一緒に見る訳でもなく、神田とラビを見ていた。
「…?」
マリアのことだからアレンが一番見たかったのではないのだろうか。ふと昔を思い出して懐かしんでいたコムイが思い至った。
「アレン…君?」
その穏やかな微笑みに、コムイは何かを思い出しかけた。なんだろう?今、何か大事なことが、頭の中に過った。
「ひとつ」
アレンが人差し指を自分の唇の上に乗せて、コムイににっこりと微笑んだ。
「お詫びに、聞いた話ですが、昔話をしたいと思います」
************************
やっとタイトルまで。修羅場の息抜きに書いていけたらと思います。
マイ設定がてんこ盛りの話なので、分かりづらいとこも多いかもしれませんが、よろしければお付き合いくださいませ。
ハッキリ言って今回の主人公、アレンじゃありません。(いや、アレンが語ってますが)ここに書くと一発でばれるので、ちょっとやめとこうと思います。14巻を読んでれば、たぶん大丈夫。
その1なのは、一話で纏まらなかったから…ですよ。
「親に疎まれて捨てられたとしても、両親が何処かで生きているって信じてる子供と、愛された為に両親を失ってしまった子供。どちらが幸せなんでしょうか?」
唐突に、優雅に紅茶を口に運びながらアレンがそんなことを言い出すものだから、そばにいた神田とラビは二人顔を見合せて肩を竦めた。
『とある誰かの昔の話』
「コムイー、マリアの情報ってあるさ?」
「マリア?クロス元帥の?」
自室で書類に埋まっていたコムイが、突然訪問してきたラビに驚いて顔を上げた。よく見ればその後ろに神田とアレンの姿もある。
「そうさー、元エクソシストだったんだろ?名簿とかに写真が無いかなーって」
「写真?ああ、顔が知りたいの」
そこでラビが意味ありげにアレンへと視線を流して、またコムイへと向きなおった。
「そうさー。目の色とか髪の色とか。口元だけでもかなりの美人だったさ?」
方舟の一件で見たマリアの容姿を思い出して、ラビが上機嫌で尋ねた。それに比例してコムイの表情は曇っていく。
いつもの覇気が薄れて、伝え方を悩んでいるようにも見えた。
「その事だけどね、マリアの資料は無いんだよ」
「どうしてだ?歴代のエクソシストは纏めてるのではなかったか?」
アレンの肩を抱いて、割り込んだのはラビではなく神田だった。
亡骸すら残せないエクソシストに代わって、教団が出身から誕生日まで、発足された日から綴っている図鑑があることを、教団歴の長い神田は知っていた。それこそ、身体的特徴も載っていたはずだ。
「コムイのけちー。いいさ、自分で探るから」
難色を示すコムイにラビが、にこやかに、けれどしっかりと脅しをかけた。ブックマンが記録することを拒んではならないという契約を、最大限有効活用したセリフだった。
それに溜息をついて折れたのは、コムイだ。
君達にも、面白くない話だと思うけど。人づてに聞くよりは僕から話した方がいいと思うから。
そう前置いてコムイは重い口を開いた。
「マリアはね、とあることをして教団史から抹消されたエクソシストなんだ。もう彼女の容姿を覚えているものも少ないだろうね…」
だから写真もない。それに加えてクロスの『聖母の柩』のイメージが強くて生前の姿を思い出す方が難しくなってる。
ラビの言う通り、美人だったよ。見た目だけじゃなく、そのいっそ潔いと言い切れる性格までもが。
「髪は綺麗なプラチナブロンドでね、瞳は…そう……」
そこで後ろに控えているアレンを見つめて、コムイは懐かしむように目を細めた。
「アレン君みたいな銀灰の目をしていた」
やっぱり、真っ白なって形容するのが何よりも似合っていた彼女だった。
「写真、一枚ぐらいどっかに残してないんさ?本当に」
なあなあ、と机に詰め寄るラビのしつこさに呆れながら、コムイが心底弱ったように、無いんだよごめんねと言った。
「彼女は禁忌を犯して、異端審問にかけられたんだ…」
三人が、大きく息をのんだ。
「だから、マリアの情報はすべてその時に処分されてしまったんだよ」
もう一度だけコムイはごめんねと繰り返した。
しかし、自分に集中して写真を強請ったには、何か訳があるのかと思いいたったコムイは、はっと顔をあげてアレンを見つめ直した。
「アレン君、マリアのことクロスから何か聞いたの?」
それならば納得する。ラビが今更マリアのことを聞きに来たのも。
「いえ、師匠からではないのですが。コムイさんはマリアに憧れてたって」
恋ってほどじゃなくて…だから憧れ?でよかったのですか。アレンはさらりと爆弾をコムイに投下した。
「それで、師匠がマリアを所持する時に揉めたって聞きましたけど?」
そしてその言葉にコムイは飲もうとしていたコーヒーを盛大に噴き出した。
「ア、アッ、アレン君!!」
どもるコムイにラビがとどめを刺す。
「だから、写真の一枚ぐらいは隠し持ってるんじゃないかってさ」
「ラビっ!!」
「ここ、まで来たら見てーだろ。ついでに禁忌って何やらかしたんだ、教えろよ」
「神田君っ!!」
神田とラビの二人に迫られて、コムイはたじたじだった。
そして諦めたように奥から一枚の写真を取り出して、ラビへと渡した。
「このことはくれぐれも秘密に」
「やっぱり持ってたんさー。もちろんオレ等とコムイだけの秘密さ」
その写真には、マリアを中心に左側にクロス、右側にコムイがいて、三人とも穏やかに笑っていた。
そう、これが一番穏やかな季節を過ごした最後の記念。
あーだ、こーだとラビと神田は仲良くマリアを見て議論を繰り返している。
そこから一歩下がったスタンスでアレンが、写真を一緒に見る訳でもなく、神田とラビを見ていた。
「…?」
マリアのことだからアレンが一番見たかったのではないのだろうか。ふと昔を思い出して懐かしんでいたコムイが思い至った。
「アレン…君?」
その穏やかな微笑みに、コムイは何かを思い出しかけた。なんだろう?今、何か大事なことが、頭の中に過った。
「ひとつ」
アレンが人差し指を自分の唇の上に乗せて、コムイににっこりと微笑んだ。
「お詫びに、聞いた話ですが、昔話をしたいと思います」
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やっとタイトルまで。修羅場の息抜きに書いていけたらと思います。
マイ設定がてんこ盛りの話なので、分かりづらいとこも多いかもしれませんが、よろしければお付き合いくださいませ。
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